友達になったのは、20代半ば。落ち着いていて、冷静に物事判断し、賢い。仕事もできる。ロングヘアーは、いつもキューティクルで輝いていた。あだ名は「かぐや姫」。
いつも自分の事よりも周りを思いやり、慈悲の心で人と接し、仏か?と思うほどの彼女がなぜ、私と友達になってくれたのか?ドンくさくて、愛嬌と度胸だけの海外ツアーコンダクター、英語もまともに喋れない 劣等生添乗員だった私と。
一緒に添乗した。アメリカ、フェニックス 自立した女性の会 ソロプチミストの世界ミーティング。1993年?94年?覚えていない。ただただ、怖いおばちゃんたちに振り回され、10日間一緒に働いて帰国、その後、いや添乗中に自然と友達になっていた。
カナダやオーストリアにスキーに行ったね。長野にも行ったね。
恋の話もしたね。仕事の事、ほとんど私が悩みを云って彼女は、いつも聞いてくれた。
堅実で親思いの彼女は、両親と住む家を建てた。添乗員の薄給で。その時点で彼女はもう結婚せずに、自分が親のそばにいてあげよう!ローンを払い続けなければいけないと思い定めていたのだろう。「今の彼と結婚したらいいやん」、「なんで自分の好きな気持ちをあきらめるん??」彼女の自分を律する姿は半端ない。感情に振り回される私には、理解できなかった。周りに軸足を置き、それに合わせて、私はこうすべき!と考え、動く。軸が親だったり、友達だったり、彼だったり。その時、その場でかわる軸に合わせて、完璧に対応する。それも真心こめて。怒ることがない。穏やかなかぐや姫なのだ。
かぐや姫は感情の爆発がないのだ。いやあったのかもしれないが、私には、かぐや姫だった。そんな彼女がガンになった。抗がん剤を拒否した。親にも自分の病気を云わなかった。友達にもお姉さんにも云わず、自分ひとりでガンと向き合い、自分を律し、死を受け入れた。強すぎる女性だ。いや、なるようにしかならない!と思い定め、しなやかに心を楽にして生きているのか?やっぱり彼女は悟りのかぐや姫だ。
今彼女は、ホスピスにいる。なぜ、彼女が、なぜ?どうして?
死は必ずやってくる。誰にでも必ずやってくる。彼女が生きた意味、メッセージをしっかり受け止めて、私は生きよう!私が生かされているのも何か意味があるはずだ。
病室を出る時、自分の方がよっぽど痛くて怖くて不安なはずなのに、「洋子ちゃん、頑張りや!」ってか弱い声で。。。。やっぱり自分の事より私の心配。。。
一方、私は? 80までのローンを抱え込み、これからシングルマザーで子供を育てなければいけない、そんな中、会社も危ない 収入が途切れたら。。。不安で心に余裕なくなり、手っ取り早く大きな収入がとれると洗脳され、必死に自分の心に蓋をして盲目的に頑張れば、成功すると信じて、ネットワークビジネスにのめり込んだ。同じようにそう信じているグループに入って3か月、私の顔は更に歪んだ。心も疲弊した。アホな私。
気付かせてくれたのは、私の故郷とかぐや姫と昔からの友達。
心に蓋をして生きた20年の結婚生活で、懲りたはずなのに、また心に蓋をして生きようとしていた。
ありがとう!ありがとう!私の行く先に明るくてまぶしい光があるのを気づかせてくれたのは、私の人生に関わってくれたかけがえのない友達。友達になってくれてありがとう。絶対来世で会える。ただ残念なのは、前の生きた時の記憶がなくなっていること。でも私はかけがえのない素晴らしいステージの高い人たちに家族に友達に囲まれて生かされていること、感謝しかありません。恩返ししなきゃ!それが私の生きる意味。
1 Comment