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執筆者の写真洋子

よひとやむみな 月光の巻 獣人間

更新日:9月20日

焦ってはならん。

そなたたち人間は、これぞと思うと、一足飛びに階段を昇ろうとする。

何事も一段ずつ、一歩ずつぞ。

それより他に進み方はない。


最初の一歩は、そなたの中におる獣を認め、教え、導かねばならん。

獣を人間と同じにしようと考えてはならん。

獣は獣として導かねばならん。

獣は、慾と執着と負の感情で動くのじゃ。

傷を負い、怒りと恐れを抱いた獣に、すぐに近寄ろうとはせんであろう。

戦おうとはせんであろう。


最初は、獣である慾や執着から離れることじゃ。

これは、すでに伝えたぞ。

時間をかけよ。


次の段階は、怒り、憎しみ、破壊慾、恐れの感情じゃ。

これらは、本来獣人間に備わったもの。

多くの人間は、これらを発散することが自然な生き方だと思い違いしておる。

それは、獣のあるがままであるぞ。

人間ではないぞ。


また、これらを我慢したり、隠したりする人間も多い。

怒りを、恨みを隠して、良き活動をしておると思う者、

強く見せようとする者、

善良な民であることを表現する者、

これは成長ではない。

止まったままぞ。

ますます大地に悪の氣を流しておるのぞ。


これらの感情は悪いものではない。

中行く心で見よと申したであろう。

痛みは、成長を促すものぞ。

痛みは、変容のカギぞ。

風雨に耐えた大樹を思い出せ。


まずは、認めよ。

自分の中に獣がおること、

恐れがあること、

攻撃心があること、

憎しみがあること、

悲しみがあること、

怒りがあることをはっきりと認めよ。

そして、正しき良き人間という隠れ蓑で生きておることを認めることぞ。

理解することぞ。

許すことぞ。

抱き参らせることぞ。


瞑想せよ。

時間をかけよ。


心から、それができるようになると癒しが起こり、変容が起こるぞ。

心深くにある怒り、憎しみ、破壊慾、恐れは、

寛容、勇気、愛、慈悲に変容するのじゃ。

するとそなたの中におる獣は鎮まる。

安心して鎮まる。

そのエネルギーは弱まっていく。


そして怒りは、寛容に変わる。

好奇心が起こり勇気が湧くぞ。

攻撃心は、慈悲に変わるぞ。

怒り、恐れの卒業じゃ。

浄化とは、そのことぞ。


世は七度の大変わり、いよいよの段階に入ったら、

我良しの人間には、何が何だか分からんようになり、

焦れば焦るほど、深みに落ち込むぞ。

獣が目を覚まし暴れるぞ。


心の窓を大きく開いて、小さい我の慾から離れると、遠くが見えて来るぞ。

見えたら、先ず自分の周囲に知らせよ。

知らせることによって、次の道が開けて来る。


死ぬ時には死ぬのが喜び。

遊ぶときは遊ぶが良いぞ。

冬になったら冬ごもり。

言葉と時と、その順序さえ心得ておれば、すべて自由ぞ。




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