ものは放すからこそ摑める。
摑めたら放すという者は多いが、放す方が先じゃ。
固く握っておっては、何も摑めんであろうが。
戸を閉めておってはならん。
扉を開けておけと申してあろうが。
摑んでおることに氣づかず、「分かっておる」と申しておる者ばかりじゃ。
人を摑み、富を摑み、立場を摑む。
目標を摑み、正しさを摑み、恐れや怒りを摑んでおる。
すべてはこだわりじゃ。
こだわりは摑む状態ぞ。
着物を脱いで裸となることは辛いであろうが、
脱がねば新しき着物は着られんぞ。
夜の時代の古い着物を脱げよ。
自分を縛る古い信念という帯を溶けよ。
鎧を脱げよ。
裸になってみよ。
幼子は裸になると、喜んで走り回るであろうが。
裸になって喜べ。
神様も裸になって、そなたを抱いてくださるぞ。
今までの重荷は、そなたたちに様々な力を与えたであろう。
もう下ろしてもよいのだぞ。
重い石で作ったタクアンは美味しいのであるぞ。
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